「響」はサントリーが手がけるプレステージ・ブレンデッドウイスキーです。サントリーは1923年、鳥井信治郎によって日本初のモルトウイスキー蒸留所を山崎に建設した企業であり、以来一世紀にわたって日本のウイスキー文化を牽引してきました。「響」という名は「共鳴」や「反響」を意味し、ブレンディングを通じて多くの原酒を一つの調和へと編み上げる、この銘柄の哲学を表しています。
蒸留所の歴史
サントリー創業者・鳥井信治郎は、日本人の味覚に合う本格ウイスキーの製造を目指し、1923年に京都と大阪の境にある山崎の地に日本初のモルトウイスキー蒸留所を建設しました。良質な地下水と湿潤な気候、三本の川が合流するこの地は、ウイスキー造りに理想的な環境を提供しました。
「響」ブランドは、サントリー創業九十周年を記念して1989年に誕生しました。以来、山崎蒸留所、白州蒸留所、そして知多蒸留所という三つの拠点から供給される多様な原酒を、ブレンダーが繊細に組み合わせることで、この銘柄の風味は形作られています。
製造方法
「響 Japanese Harmony」は、山崎蒸留所と白州蒸留所のモルトウイスキー、そして知多蒸留所のグレーンウイスキーをブレンドして造られます。使用される原酒は、様々な樽(アメリカンオーク、シェリー樽、ミズナラ樽など)で熟成された多彩なキャラクターを持ちます。
ミズナラ(日本ナラ)樽の使用は、日本独自のブレンディング要素です。この稀少な国産オーク材は、白檀や伽羅を思わせる独特の香気をウイスキーに与え、他国のウイスキーでは決して得られない個性を「響」に授けています。
歴史的背景
ジャパニーズウイスキーは、スコッチの伝統から着想を得ながらも、繊細さ、調和、そして職人精神を重視する独自の哲学を発展させてきました。「響」は、その芸術的なブレンディングの粋を集めた銘柄として、世界市場において「日本のクラフトマンシップ」を象徴する存在となっています。
豆知識
「響」のボトルは、二十四面の多面カットが特徴です。この二十四という数は、日本の伝統的な暦における「二十四節気」を表しています。立春、雨水、啓蟄、春分 — 一年を細分化するこれらの節気それぞれが、熟成中のウイスキーに異なるニュアンスをもたらすと考えられています。
ボトルのラベルには、京都の老舗和紙工房「越前和紙」が用いられており、その繊細な触感もまた、この銘柄の日本的美意識を物語っています。
国際的な評価
「響」シリーズは、ワールド・ウイスキー・アワード、インターナショナル・スピリッツ・チャレンジをはじめとする権威ある国際コンペティションで、繰り返し最高評価を獲得してきました。特に上位年数の限定品は、コレクター市場においても極めて高い評価を受けています。
「響とは、多くの原酒がそれぞれの声を保ちながら、一つの音楽を奏でる状態のことである。」