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アイルランド、ミドルトン蒸留所の伝統的な銅製ポットスチル
アイルランド

Redbreast 12

創業
1857年
アイルランド
地域
コーク州ミドルトン
スタイル
シングルポットスティル・アイリッシュ

レッドブレストは、アイルランド独自のスタイルであるシングルポットスティル・アイリッシュウイスキーを代表する銘柄です。「レッドブレスト」の名は、アイルランドの非公式国鳥であるコマドリ(ヨーロッパコマドリ)にちなみ、二十世紀初頭にW.A.ギルベイ社によって命名されました。

蒸留所の歴史

レッドブレストの歴史は1857年、ダブリンのジェイムソンとイギリスのワイン商ギルベイ家との商業契約に始まります。ギルベイはジェイムソンからボンドウイスキーを大量に購入し、独自のブランドとして熟成・瓶詰めを行いました。1912年、この銘柄に「レッドブレスト」の名が与えられました。

1980年代の一時的な製造中断を経て、1991年、アイリッシュ・ディスティラーズによってブランドが復活。現在はコーク州のミドルトン蒸留所(1975年創業)で製造されており、伝統的なシングルポットスティル製法を今日に伝える最重要銘柄の一つとなっています。

製造方法

シングルポットスティルとは、麦芽大麦と未発芽大麦を混合し、単一の蒸留所において銅製ポットスチルで蒸留したアイリッシュウイスキーを指します。この製法はアイルランド独自のもので、他のいかなる国のウイスキーにも見られません。

ミドルトン蒸留所の巨大な銅製ポットスチルにおいて三回蒸留が行われ、非常に滑らかで油分に富んだスピリットが得られます。熟成にはアメリカンオーク製の元バーボン樽と、スペイン産のオロロソ・シェリー樽の組み合わせが用いられ、最低十二年間の熟成を経ます。

歴史的背景

シングルポットスティル・スタイルは、十八世紀末に英国政府がアイルランドの麦芽大麦に重い税を課したことへの対応として生まれました。蒸留家たちは未発芽大麦を混合することで税負担を軽減しながら、独自の風味を持つウイスキーを創出しました。

二十世紀半ばのアイリッシュ・ウイスキー産業の衰退期において、この伝統的スタイルは絶滅の危機にありました。レッドブレストの復活は、この文化遺産を救った象徴的な出来事として記憶されています。

豆知識

ラベルに描かれたコマドリのイラストは、ギルベイ家のこの鳥への強い愛着を反映したものです。

1980年代の製造中断は、当時のアイリッシュ・ディスティラーズによる合理化政策の結果でしたが、消費者と専門家からの復活を求める声が、ブランドの復刻を実現しました。

国際的な評価

レッドブレスト十二年は、複数の国際コンペティションで最優秀アイリッシュウイスキーに選出されており、アイリッシュ・ウイスキー復興の象徴として位置づけられています。

「レッドブレストは、忘れ去られようとしていたアイルランドの伝統を、再び世界の食卓へと運び戻した銘柄である。」