ウッドフォード・リザーブの起源は、ケンタッキー州バーミッサ郡の歴史深い土地に遡ります。現在の蒸留所の敷地は、1812年頃にウッドフォード・カウンティ蒸留所として操業を開始した由緒ある場所であり、アメリカン・ウイスキーの黎明期からの伝統を受け継いでいます。
蒸留所の歴史
この土地におけるウイスキー製造の歴史は、1812年頃にまで遡ることが記録に残されています。エライジャ・ペッパーが同地で蒸留を始め、その息子オスカー・ペッパー、そして著名なマスター・ディスティラーであったジェイムズ・E・ペッパー、さらにジェイムズ・クロウ博士がここで働きました。クロウ博士は、後にバーボン製造の標準となる「サワーマッシュ法」を体系化した人物として知られています。
1996年、ブラウン・フォーマン社が蒸留所を再建・近代化し、現在の「ウッドフォード・リザーブ」の名の下に生まれ変わりました。蒸留所の主要な石造りの建物はナショナル・ヒストリック・ランドマーク(国家歴史登録財)に指定されており、ケンタッキー・バーボン・トレイルの重要な訪問地となっています。
製造方法
「ダブルオーク」は、ウッドフォード・リザーブの標準品を、さらに深く焦がしたアメリカンオーク製の新樽で二度目の熟成にかけるという革新的な製法によって生み出されます。この二度目の樽は、内側を軽く焼き、その後さらに深く焦がすという二段階の処理が施されており、より濃厚な樽由来の香味成分をスピリットに移します。
ウッドフォード・リザーブは、三基の銅製ポットスチルを用いて三回蒸留を行うという、ケンタッキーではきわめて珍しい製法を採用しています。これはスコッチウイスキーの伝統からの影響であり、他の多くのバーボン蒸留所が連続蒸留を採用しているのとは対照的です。
歴史的背景
ケンタッキー・バーボンは、アメリカ合衆国が「国のスピリッツ(America's Native Spirit)」として1964年の合同決議で公式に認めた、真にアメリカの精神を体現する飲み物です。バーボンの定義には、原料の五十一パーセント以上がトウモロコシであること、内側を焦がした新しいアメリカンオーク樽で熟成すること、留出時のアルコール度数が八十パーセント以下であることなどが含まれます。
ウッドフォード・リザーブの立地するバーミッサ郡は、ケンタッキー州の中でも「ゴールデン・トライアングル」と呼ばれるバーボン産業の中心地に位置し、地域そのものが二百年以上にわたる蒸留文化の中心地となってきました。この蒸留所は、その伝統の生きた継承者として、アメリカン・ウイスキー文化における重要な役割を担っています。
豆知識
蒸留所の主要建物群は、1996年にナショナル・ヒストリック・ランドマークに指定されました。石造りの発酵槽は世界的にも珍しく、多くの蒸留所ではステンレスや木製の発酵槽が用いられる中、独特の温度環境を提供しています。
蒸留所は、ケンタッキー州フランクフォート近郊のグレンズ・クリーク(バーミッサ川の支流)のほとりに位置し、周囲は美しい馬牧場(ホースファーム)に囲まれています。この自然環境が、貯蔵中のウイスキーに独特の性格を与えていると考えられています。
国際的な評価
ウッドフォード・リザーブ・ダブルオークは、サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションをはじめとする国際的なコンペティションで数々の賞を獲得しており、アメリカン・ウイスキーにおける「クラフト・バーボン」の代表格として位置づけられています。
「ケンタッキーのバーボンとは、この地の水と穀物と時間、そして人の手が織りなす、極めてアメリカ的な芸術である。」